5月から9月の夏場に警戒が必要なマダニですが、実はマダニに噛まれること自体はそんなに深刻な問題ではありません。
しかし、ウィルスを保有しているマダニに噛まれることで、噛まれた人が感染症にかかるおそれがあり、場合によっては死に至るケースがあるので、マダニには警戒が必要になってきます。
国立感染症研究所の発表でも、2015年4月8日までに国内で32人の死亡者でているとのことですので、非常に怖い話です。
そこで今回は、マダニに噛まれることで引き起こされる感染症のリスク・初期症状・本格的に症状が出るまでの潜伏期間などについて紹介します。
マダニに噛まれてかかる主な感染症
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
- 日本紅斑熱
- Q熱
- ライム病
- 回帰熱
- ダニ媒介性脳炎
この中でも特に深刻な被害が出ている感染症は、SFTSです。
国内で発表されている死亡報告も、ほとんどがSFTSによるものです。
SFTSは、致死率6.3~30%とされていて、現在は有効な薬剤やワクチンがなく、対症療法しか治療法はありませんので、SFTSにかからないためにもマダニに噛まれないように対策することが重要になります。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の症状と潜伏期間
<SFTSの症状>
- 発熱
- 体がだるい
- 食欲低下
- 嘔吐
- 下痢・腹痛
- 下血
- 出血斑
- 筋肉痛
一見すると風邪の症状と勘違いするかも知れませんので、最近山や草むらなどに出かけたなど思い当たる点がありましたら、病院へ行った際には医師に相談するようにして下さい。
<SFTSの発症までの潜伏期間>
潜伏期間はおおむね6日~14日とみられています。
マダニに噛まれても、痛い・かゆいなどの自覚症状があまりありませんので、マダニに噛まれた事自体わからないケースもあります。
山に出かけたり、草むらに近づいたりした後はマダニがくっついていないかチェックすることで、、早期の治療につながりますので、出かけた後には必ずマダニチェックをして下さい。
マダニから人への感染は48時間以降!
マダニは、人に寄生して血液を吸いますが、すぐに離れていなくなるわけではなく、約1週間体に寄生したままの状態で血液を吸い続けます。
感染症がマダニから人へ感染するまでに、約48時間かかるとされていて、それまでに病院で適切な治療を受けることが出来ると、感染症にかかるリスクを最小限に抑えることが可能になりますので、そういった意味でも早期の病院での治療が重要になってきます。
もうひとつ重要なのが、マダニを発見しても絶対に自力では取らないで下さい。
ネット上の情報などでは、アルコールや酢などを用いて自力でマダニを取る方法などが紹介されていますが、自力で取ろうとして失敗すると余計に感染症のリスクを高める結果になりますし、完全にマダニを除去するためには、外科的な処置が絶対に必要になりますので、自力では取らないようにして下さい。
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